ソフトウェアやアプリケーションは、開発者の創造的な表現によって生まれる「文化的な財産」です。日本の著作権法でも、プログラムはれっきとした著作物として扱われています。
著作権法は無方式主義を採用しており、著作物は創作の瞬間から自動的に著作権が発生します。
そのため、“特許のように登録しないと権利が得られない”という仕組みではありません。
それにもかかわらず、わざわざ「著作権登録制度」が設けられているのには明確な理由があります。
本記事では、プログラム著作物の特徴と、なぜ登録制度が存在するのか・どんなときに必要なのか、そしてプログラム特有の登録制度(SOFTICの役割含む)まで分かりやすく整理してご紹介します。
1. プログラム著作物とは?(著作権法2条)
著作権法では、プログラムについて次のように定義しています。
「電子計算機を機能させて一の結果を得るための、指令を組み合わせたものとして表現したもの」
つまり、
- ソースコード
- オブジェクトコード
- 制御用スクリプト
など、表現形式を問わず「プログラムとしての表現」であれば著作物になります。
プログラムは“アイデア”そのものは保護されませんが、その実装表現(コード)には著作権が発生します。
2. 日本が無方式主義なのに、なぜ登録制度があるのか?
「登録しなくても著作権はあるのに、何のために登録するの?」
と疑問に思われる方も多いでしょう。
登録制度がある理由は、主に次の2つです。
① 創作や公表の事実関係を公示するため
著作権侵害が起きたとき、「いつ作ったか」「いつ公表したか」を証明するのは簡単ではありません。
登録することで
- 創作年月日
- 公表年月日(第一発行日)
を公式に証明できます。
② 著作権の移転等を第三者に対抗するため
著作権を譲渡したり、質権設定をしたりするとき、登録をしておくことでその事実を第三者に主張(対抗)できます。
3. プログラムだけに認められた特別な登録制度(SOFTIC)
一般の著作物(音楽・文章・写真など)の登録は文化庁が担当していますが、プログラム著作物の登録だけは SOFTIC(ソフトウェア情報センター)が担当します。
その理由は、プログラムが専門性の高い分野であり、文化庁単独では審査が難しいためです。
SOFTICは文化庁が指定する「指定登録機関」であり、プログラムの登録事務を担っています。
4. プログラム著作物の登録には4種類ある
プログラムの著作権登録には、次の4つの制度があります。
① 創作年月日の登録(最も重要)
- プログラムの完成日(創作日)を登録
- 創作後6か月以内に申請が必要
- 登録日=創作日と推定される(法律上の推定効)
これは未公表のプログラムでも利用可能で、「先に作ったのは自分である」ことの有力な証拠になります。
② 第一発行(公表)年月日の登録
- 公表されたプログラムの最初の発行日・公開日を登録
- 登録日=第一発行日と推定される
- 公表の事実がある古いプログラムでも登録可能
③ 著作権の移転等の登録
- 著作権を譲渡したとき、質権を設定したときなど
- 登録することで第三者に対抗できる
ビジネスで重要な制度です。
④ 実名の登録
- 無名・変名で公表したプログラムに実名を登録
- 実名登録された著作者は著作者と推定される
- 実名登録により、保護期間が「著作者の死後70年」に延びる場合がある
5. 創作年月日登録がプログラムに必須といわれる理由
プログラム特有の問題として、
- 公表されないケースが多い
- バージョン管理が複雑
- コードの一部のみ盗用されることがある
- 技術的に類似したコードが生成されやすい
など、著作権紛争になった場合に「誰がいつ作ったか」を証明するのが難しいことがあります。
創作年月日登録をしておけば、
- 創作日が法律上推定される
- 未公表作品でも保護期間の起算点が明確
- 訴訟での立証が格段に有利
という大きなメリットが得られます。
6. 申請先は SOFTIC。登録は任意だが、ビジネスでは重要
プログラムの登録は義務ではなく任意です。
しかし、
- 自社開発ソフトを販売する
- 外部企業に利用許諾する
- プログラムの譲渡を予定している
- 将来的に紛争リスクを減らしたい
- 自社ソフトを資産として明確化したい
といった場面では、登録のメリットは非常に大きくなります。
SOFTICでは、
- 申請書
- 著作物の明細書
- プログラム複製物(CD-R・DVD-R)
などを提出し、登録を受けます。
7. まとめ:プログラムの著作権登録は“ソフトの保険”になる
著作権は登録しなくても自動的に発生します。
しかし、権利侵害や取引の安全性を考えると、
- 創作日・公表日の明確化
- 著作権者の特定
- 権利変動の公示
- 取引トラブルの予防
といった観点から、登録制度を活用する価値は非常に高いといえます。
特にプログラムは、公開の有無にかかわらず利用されることが多く、後から創作時期を証明することが難しいケースも少なくありません。
将来的なビジネス展開や権利保全のために、自社の重要なソフトウェアについては、登録制度の活用を前向きに検討されることをおすすめします。
代表挨拶

行政書士藤原七海事務所の藤原です。
当事務所ではプログラム著作権の登録に力をいれております。
証明書翻訳に何かお困りごとがある方はお気軽にご相談ください。
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