【2025年最新】新事業進出補助金の加点項目を徹底解説|制度趣旨・評価ポイント・優先順位・申請書類を行政書士が解説!

補助金

新事業進出補助金とは?背景と目的

中小企業新事業進出補助金(以下「新事業補助金」)は、既存事業からの転換や、新規分野への進出を目指す中小企業等を支援するための制度です。人口減少や地域経済の縮小が進む中で、中小企業が持続的に成長していくためには、既存の延長線ではない「新たな挑戦」が不可欠とされています。この補助金は、そうした事業再構築や新市場参入を後押しする目的で2024年度に創設され、2025年度も継続されます。

補助金額は最大9,000万円、補助率は2/3と高く、設備投資を中心とした新事業の立ち上げ費用を大きく支援します。

加点項目の役割と設定理由

新事業補助金の審査は書類審査であり、加点項目は「一定の社会的価値を持つ活動・取り組みを行っている事業者」を優先的に支援するために設けられています。政策的に誘導したい方向(例:女性活躍、健康経営、地域承継など)に沿った加点項目を設定することで、政府の中小企業政策と連動した補助金運用が可能になります。

また、審査の公平性を保ちつつ、申請書の点数差が拮抗している場合に採択を左右する「決定打」として機能します。

各加点項目の詳細と実務ポイント

パートナーシップ構築宣言加点

  • 趣旨: 取引先との公正な取引を推進するための自主的な宣言制度。サプライチェーン全体の健全性を評価。
  • 評価観点: 宣言が申請時点で有効に公開されているか、登録内容に不備がないか
  • 書類: 宣言済み企業としてのリスト掲載画面、登録完了メールの写し
  • 注意点: 宣言内容の修正や反映に時間がかかる場合があるため、早めの登録を推奨

くるみん認定加点

  • 趣旨: 子育て支援・育児休業の促進など、家庭と仕事の両立を支援する制度への貢献を評価
  • 評価観点: 厚労省認定の有効な「トライくるみん」「くるみん」「プラチナくるみん」認定の取得
  • 書類: 認定証の写し、認定番号など
  • 注意点: 行動計画策定や男性育休取得の実績要件あり。認定取得に数ヶ月かかる

えるぼし認定加点

  • 趣旨: 女性の職場活躍を支援するために設けられた制度。えるぼし(1~3段階)またはプラチナえるぼしの認定取得企業を評価。
  • 評価観点: 厚労省の認定基準に沿った職場環境整備の実績
  • 書類: 認定証の写し、登録番号など
  • 注意点: 取得には就業規則整備や女性管理職比率の向上などが必要。申請から認定まで時間を要する

アトツギ甲子園加点

  • 趣旨: 中小企業庁主催の「アトツギ甲子園」に出場した後継者がいる事業者を評価。次世代承継・新事業挑戦の象徴として加点対象に。
  • 評価観点: 過去の大会への出場実績(オンライン予選、本選どちらも対象)
  • 書類: 出場証明書、参加履歴のわかる資料(大会HPの記録など)
  • 注意点: 出場済であることが条件。事前エントリーのみでは加点されない

健康経営優良法人加点

  • 趣旨: 従業員の健康増進や職場の快適性向上への取組みを行う企業を高評価
  • 評価観点: 経産省が定める認定基準を満たしているか
  • 書類: 健康経営優良法人認定証の写し、認定番号
  • 注意点: 毎年認定の更新が必要。直近年度の認定であることが望ましい

技術情報管理認証加点(TICs)

  • 趣旨: 特許や設計図などの機微技術を漏洩・流出から守る管理体制を構築している事業者を評価
  • 評価観点: 認証の取得・管理体制の明文化・継続的な改善体制の有無
  • 書類: 認証機関が発行する認証証明書
  • 注意点: 製造業・IT関連業種向け。審査・取得に一定の時間が必要

成長加速化マッチングサービス加点

  • 趣旨: 中小機構のプラットフォームに登録し、他企業との連携・支援を求める企業を後押し
  • 評価観点: 成長課題の登録が完了しており、挑戦的な目標を掲げているか
  • 書類: 課題登録完了画面の写し、登録内容(PDF等)
  • 注意点: 登録だけでなく「挑戦課題」の記載内容が具体的であることが望ましい

再生事業者加点

  • 趣旨: 中小企業再生支援協議会などの支援を受けて経営再建中の事業者を救済的に評価
  • 評価観点: 再生計画の策定済み、または策定中(支援決定済)であること
  • 書類: 支援機関発行の「再生事業者確認書」
  • 注意点: 該当範囲は限定的。加点対象となる「別紙」該当の明確化が必要

優先順位と加点戦略

加点項目は複数取得可能です。準備の難易度と実行可能性に応じて、以下のような優先順位が考えられます:

優先度加点項目難易度所要期間目安
パートナーシップ構築宣言即日〜1週間
成長加速化マッチング登録即日〜1週間
健康経営優良法人1〜2か月
くるみん・えるぼし認定2〜4か月
技術情報管理認証2〜3か月
アトツギ甲子園・再生事業者実績の有無に依存

加点項目は申請締切日時点で有効であることが必要です。取得手続きや登録に時間を要する項目は、スケジュールを逆算して早めに着手しましょう。

行政書士など専門家に依頼するメリット

加点項目の取得や申請には、複数の公的制度への申請・届出・証明書の取得が必要です。また、補助金本体の事業計画作成に並行して対応しなければならないため、申請者の負担は相当なものとなります。行政書士等の専門家に依頼することで、次のようなメリットが得られます:

  • 加点要件の正確な洗い出しと対応スケジュールの策定
  • 認定制度の申請代行や資料の準備支援
  • 書類不備や要件未達による失格リスクの回避
  • 審査視点を意識した申請書の整理

まとめ

中小企業新事業進出補助金では、加点項目を1つでも多く満たすことが、採択率の向上に直結します。本記事で紹介した加点制度は、単に点数を得るための手段ではなく、企業としての信頼性や社会的な価値を高める重要な取り組みです。

補助金申請を成功に導くには、加点項目の取得と書類準備のスケジュール管理がカギとなります。専門家の支援を活用し、採択に強い申請書づくりを進めましょう。

行政書士藤原七海事務所では、補助金の申請サポート・無料相談を承っております。補助金申請に関するご相談は、当事務所までお気軽にお問い合わせください。

加えて当事務所では、より高品質なサービスを提供すべく 提携先の行政書士とともに、単独受任時と変わらない報酬での共同受任にも応じています。
提携先事務所:crenlylaw.com


代表挨拶

藤原七海

行政書士藤原七海事務所の藤原です。
当事務所では補助金申請のサポートに力をいれております。
補助金申請のお手続きに何かお困りごとがある方はお気軽にご相談ください。

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