【2025年/第20次公募】ものづくり補助金の加点項目を徹底解説|政策的・成長関連・地域加点の要件と優先順位を行政書士が整理!

補助金

ものづくり補助金における加点項目とは?

ものづくり補助金の採択率を上げるカギが「加点項目」です。実際に、加点を1〜2項目でも取得している事業者のほうが、採択率が大幅に高くなる傾向があります。

加点項目は、「政策的加点」「成長関連加点」「地域・起業家加点」の3つに分類され、それぞれの取得状況が審査の加点対象となります。

  • 政策的加点(パートナーシップ構築宣言、健康経営等)
  • 成長関連加点(経営革新計画、賃上げ目標、輸出支援登録など)
  • 地域・起業家加点(J-Startup 地域版など)

この記事では、2025年度(第20次公募)に対応した最新情報に基づき、加点項目ごとの要件・提出書類・注意点・優先順位まで、行政書士がわかりやすく解説します。

政策的加点

パートナーシップ構築宣言

  • 制度趣旨:大企業と中小企業の共存共栄・公正取引を目指し、企業の代表者が取引先との「望ましい取引慣行」を宣言する制度です。ものづくり補助金では、申請締切日時点で宣言ポータルサイトへの登録・宣言を完了し、宣言文を公表している事業者に加点されます。
  • 要件:パートナーシップ構築宣言ポータルサイトで宣言文をアップロードし、「登録企業リスト」に掲載されること。
  • 必要書類:宣言登録サイトの掲載画面の写しなど、登録完了を証明する資料を提出します。
  • 注意点:登録には代表者の承認が必要で、掲載までに数日かかるため、早めに宣言文の準備・登録を行いましょう。

再生事業者

  • 制度趣旨:経営再建を支援する協議会や公的機関の支援を受け、再生計画を策定中または過去3年以内に策定完了した中小企業者を指します。ものづくり補助金では、公募要領で定める再生事業者に該当する場合に加点されます。
  • 要件:申請時点で再生支援協議会等の支援下にあり、再生計画を策定中(支援決定後)または令和元年5月以降に承認済みであること。
  • 必要書類:再生支援協議会等が発行する「再生事業者確認書」を提出し、支援機関発行の確認書類等で再生計画の支援状況を証明します。
  • 注意点:再生計画の策定・認定には専門知識が必要です。申請前に再生協議会等と連携し、計画が要件を満たしていることを確認してください。

DX認定

  • 制度趣旨:「情報処理促進法」に基づき、国のデジタルガバナンス基準を満たす企業を認定する制度です。経産省による認定事業者は税制優遇などのメリットがあります。ものづくり補助金では、申請締切日時点で有効な「DX認定」を取得している事業者に加点されます。
  • 要件:申請締切日時点で有効なDX認定を取得していること。
  • 必要書類:有効なDX認定証(認定書)の写しを申請書類に添付します。
  • 注意点:DX認定を新規取得する場合、申請から認定まで一定期間を要するため、余裕を持って手続きを進めましょう。既取得の場合は申請書類に確実に添付してください。

健康経営優良法人認定

  • 制度趣旨:経営的視点で従業員の健康管理を推進する企業を、経産省が「健康経営優良法人」として認定する制度です。認定企業は社会的評価が向上し、金融優遇などのメリットがあります。
  • 要件:申請締切日時点で「健康経営優良法人2025」に認定されていること。
  • 必要書類:認定通知書(ロゴ使用許可証)の写しなど、認定を証明する資料を提出します。
  • 注意点:認定取得には健康経営の取り組み実績の提出が必要です。未取得の場合は次年度申請に向けて準備を進めましょう。

技術情報管理認証

  • 制度趣旨:重要技術の流出防止などを目的に、情報セキュリティ対策を認定機関が審査・認証する「技術情報管理認証制度」(TICs)です。認証取得企業は補助金で加点対象となります。
  • 要件:申請締切日時点で有効な技術情報管理認証を取得していること。
  • 必要書類:認証取得証明書(認証書)の写しを提出します。
  • 注意点:認証取得には審査機関の監査が必要で、取得までに期間と費用がかかります。既に取得済みの場合は申請書類に確実に添付しましょう。

被用者保険任意適用

  • 制度趣旨:従業員50人以下の中小企業が一定要件の短時間労働者を健康保険・厚生年金に加入させる制度で、働き方改革の一環として導入されています。
  • 要件:加入対象者を被用者保険に加入させ、加入手続きを完了していること。
  • 必要書類:加入手続きを証明する「特定適用事業所該当通知書」の写しを提出します。
  • 注意点:加入手続きには健康保険組合等との協議が必要な場合があります。申請時点で手続き中の場合は、通知書を早めに取得・提出できるよう準備してください。

えるぼし認定

  • 制度趣旨:女性の活躍推進に取り組む企業に対し、厚労省が一定水準の達成度に応じて1~3つ星の認定を付与する制度です。認定企業は社会的評価が高まり、求人PRや支援制度利用時にメリットがあります。
  • 要件:申請締切日時点でえるぼし認定を取得していること。
  • 必要書類:認定通知書の写しを提出します。
  • 注意点:取得には女性管理職比率や育児休業取得率の向上など、数年にわたる取り組みが必要です。未取得の場合は今後の制度活用を見据えて対応を進めましょう。

くるみん認定

  • 制度趣旨:育児・介護休業法に基づき、子育て支援(仕事と家庭の両立支援)に力を入れる企業を厚労省が認定する制度です。
  • 要件:申請締切日時点でくるみん認定を取得していること。
  • 必要書類:認定証の写しを提出します。
  • 注意点:取得には「計画期間中に一定数以上の社員が育児休業を取得する」などの基準があり、認定取得まで数年かかります。今後取得を計画する場合は早めに取り組みを始めてください。

事業継続力強化計画(BCP)

  • 制度趣旨:中小企業庁の認定制度で、地震・風水害等の災害に備えた事前対策計画を「事業継続力強化計画」として認定します。認定企業は補助金で加点を受けるなど優遇措置があります。
  • 要件:申請締切日時点で、「事業継続力強化計画」または「連携事業継続力強化計画」の認定を経産大臣(中小企業庁長官)から取得していること。
  • 必要書類:認定申請時に発行される「受付番号」を交付申請システムに入力します。認定証明書自体は不要ですが、受付番号と計画期間を提出データに入力します。
  • 注意点:認定取得には申請審査が必要で、作成指針に沿った計画策定が求められます。余裕を持って計画を作成・申請し、認定を取得しておきましょう。

事業承継/M&A

  • 制度趣旨:株式譲渡や事業譲渡、相続・贈与等で経営資源を引き継いだ事業者が対象です。
  • 要件:申請締切日から遡って3年以内に事業承継(株式譲渡等)で経営を統合し、従業員・設備・顧客等を引き継いでいること。
  • 必要書類:承継形態ごとに証明書類を提出します。例えば、株式譲渡の場合は「株式譲渡契約書」および譲渡前後の株主名簿、相続・事業譲渡の場合は「譲渡資産・負債一覧」や譲渡契約書などを添付します。
  • 注意点:申請時点で承継が完了している必要があります。書類不備が起こりやすい分野のため、計画的に書類を揃え、行政書士など専門家に確認してもらうと安心です。

成長関連加点

経営革新計画

  • 制度趣旨:中小企業が新事業活動による経営向上を図るために都道府県知事等の承認を受ける計画です。承認を受けると政府系融資の優遇等が受けられ、ものづくり補助金でも加点対象となります。
  • 要件:申請締切日時点で、有効な経営革新計画の承認を取得していること。
  • 必要書類:計画の承認書の写しを添付します。
  • 注意点:承認取得には15~20ページ以上の計画書作成と審査が必要で時間を要します。未承認の場合は早めに申請するか、他の加点項目を優先検討しましょう。

賃上げ

  • 制度趣旨:補助事業終了後3~5年間に、給与総額の年平均成長率を通常4.0%以上(特例枠で6.0%以上)に設定し、事業所内の最低賃金を地域最低賃金+40円以上とする計画です。
  • 要件:給与総額年平均成長率と最低賃金目標を事業計画書に明記し、交付申請前に全従業員に目標を周知していること。大幅賃上げの特例枠適用時は所定様式の賃上げ計画書を添付します。
  • 必要書類:交付申請時までに従業員への周知を完了し、賃上げ計画を事業計画書に盛り込んで申請します。
  • 注意点:目標を達成できなかった場合は補助金返還や今後の加点凍結などペナルティがあります。達成困難な高い目標設定は避け、確実に達成可能な計画と社内合意を行いましょう。

新規輸出1万者支援プログラム

  • 制度趣旨:初めて輸出に挑戦する企業を支援するJETROのプログラムです。貿易実務講座割引などのサポートがあります。
  • 要件:グローバル枠で応募し、同プログラムへの登録が完了していること。
  • 必要書類:JETRO専用ポータルで登録完了の確認画面等を証拠書類として添付します。
  • 注意点:グローバル枠限定の加点です。登録期間に締切があるため、募集時期を確認し早めに登録してください。

J-Startup

  • 制度趣旨:経産省が選定するスタートアップ支援プログラムで、選定企業は政府支援やプロジェクト参加機会が得られます。
  • 要件:申請締切日時点でJ-Startupに選定されていること。
  • 必要書類:J-Startup公式サイトで選定企業として掲載されていることを確認し、選定通知書等を提出します。
  • 注意点:選定にはビジネスプランや審査が必要です。未選定の場合は地域版も含め他項目の活用を検討しましょう。

成長加速マッチングサービス

  • 制度趣旨:中小企業庁運営のマッチングプラットフォームで、成長企業と金融機関・投資家・支援機関を結びます。課題を登録すると支援者からコンタクトが得られます。
  • 要件:申請締切日時点で同サービスに会員登録し、支援を求める「挑戦課題」を登録していること。
  • 必要書類:会員登録完了を証明する情報(会員IDや登録完了画面)と、課題登録が「掲載中」である画面等を提出します。
  • 注意点:課題が掲載中でない場合は対象外です。登録・掲載には審査と時間を要するため、早めに会員登録と課題登録を済ませておきましょう。

地域・起業家加点

J-Startup地域版

  • 制度趣旨:J-Startupの地域版で、都道府県や支援機関が推薦するスタートアップ企業が対象です。地域経済の活性化や国内外連携の機会拡大が期待されます。
  • 要件:申請締切日時点でJ-Startup地域版に選定されていること。
  • 必要書類:地域版選定企業名が掲載された資料や選定通知書を提出します。
  • 注意点:地域ごとに選考基準が異なります。未選定の場合は、地域のスタートアップ支援策も併せて活用を検討してください。

加点項目の優先順位とおすすめ

低コスト・短期間で対応できる項目から着手するのが効率的です。例えば、申請手続きのみで対応可能なパートナーシップ構築宣言被用者保険任意適用は、登録・届出を済ませればすぐに要件を満たせます。また、登録完了型のJ-StartupJ-Startup地域版新規輸出1万者支援プログラムも比較的取り組みやすい項目です。一方、「経営革新計画」や「技術情報管理認証」は計画作成・審査に時間がかかるため、余裕を持って準備しましょう。同様に、賃上げ加点やBCP策定など社内調整が必要な項目は、早めに目標設定・計画策定を始めるとよいでしょう。

創業後間もない小規模企業の場合は、資金や人手に余裕がないため、えるぼし認定くるみん認定被用者保険任意適用パートナーシップ構築宣言など、社会保険・働き方関連の加点項目を優先すると現実的です。事業成長に合わせて「経営革新計画」「賃上げ」などに拡張していくことを検討しましょう。

行政書士藤原七海事務所では、補助金の申請サポート・無料相談を承っております。補助金申請に関するご相談は、当事務所までお気軽にお問い合わせください。

加えて当事務所では、より高品質なサービスを提供すべく 提携先の行政書士とともに、単独受任時と変わらない報酬での共同受任にも応じています。
提携先事務所:crenlylaw.com


代表挨拶

藤原七海

行政書士藤原七海事務所の藤原です。
当事務所では補助金申請のサポートに力をいれております。
補助金申請のお手続きに何かお困りごとがある方はお気軽にご相談ください。

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